西穂高の自然
西穂高について
西穂山荘は標高2367mの森林限界に位置します。山荘から下は樹林帯、上はハイマツが覆う岩稜帯となりますので、山荘周辺は非常に多種多様な動植物が生息しています。 山荘から15分程登り、“丸山”と呼ばれるなだらかな丘陵地帯に出ると、北アルプスのダイナミックな山容が突然姿を現します。 正面には独標から西穂高岳山頂、その右手には前穂高岳・明神岳が連なり、更に六百山・霞沢岳の麓には帝国ホテルや大正池など上高地の展望を見下ろせます。左手には双六から笠ヶ岳、遠くに加賀の白山を望み、後方には焼岳・乗鞍岳と、まさに360度の大パノラマが広がります。 “雄大”という言葉だけでは表現しきれない程の大自然のエネルギーを全身で感じられることでしょう。
西穂高岳とその周辺の山々
西穂高岳
標高2908.6m。穂高連峰の西南端に位置し、独標より山頂までの間は大小11のピークが連なります。山頂は比較的狭く飛騨側と信州側に深く切れ落ちていますが、頂からの眺めは高度感に溢れ、奥穂高岳や前穂高岳の大障壁がいちだんと迫ります。
西穂独標
独標から見てひときわ高く、美しいピラミッド型をしたピークがピラミッドピークです。よく西穂山頂と勘違いする方が多いのですが、山頂はその右手のピークとなります。
ピラミッドピーク
独標から見てひときわ高く、美しいピラミッド型をしたピークがピラミッドピーク。よく西穂山頂と間違われるが、山頂はその右手のピークとなる。
焼岳
標高2455m。焼岳(やけだけ)は今もなお山頂付近から噴煙を立ち上らせる北アルプス唯一の活火山です。 平成2年11月より登山規制が緩和され、北峰山頂へ登れるようになりましたが、噴火の可能性がなくなったわけではありません。現在は気象庁が24時間の監視体制をとっております。登山の際は活動状況をご確認ください。
奥穂高岳・前穂高岳
間ノ岳
標高2907m。山頂から奥穂方面を見たときに赤茶けて見える山が間ノ岳(あいのたけ)です。風化が激しく、落石・浮石が多いです。
霞沢岳
標高2646m。西穂から見る霞沢岳(かすみさわだけ)は穏やかな山容ですが、上高地から仰ぎ見ると鋸歯状で威圧的な岩壁として迫ってきます。
六百山
標高2449m。山荘前からだと霞沢岳の左手にやや低く連なる山が六百山(ろっぴゃくさん)です。上高地では、ここから湧き出すおいしい水を利用している施設があるそうです。
笠ヶ岳
標高2897m。どこから見ても笠の形に見えることから名付けられた笠ヶ岳(かさがたけ)。県境の山を除けば、岐阜県内での最高峰であります。
乗鞍岳
標高3026m。独立峰のように存在するコニーデ型火山です。西穂からはそのひときわ大きな山体が目立ちます。
西穂高の植生
西穂山荘は森林限界に位置しています。そのため西穂への登山道は、亜高山帯から高山帯へと連続する豊富な植物相を持っており、5月の雪融けから秋風の9月初めまで様々な花が咲き競います。 特に6月中旬から7月中旬にかけては多種多様な花々が一斉に花開き、高山植物を見るには最も適した時期といえます。
山荘より下の亜高山帯
標高1500mを超えると、シラビソ・オオシラビソといった針葉樹が群落を成します。林内にはナナカマド・オオカメノキなどの広葉樹が散在し、沢沿いの斜面にはダケカンバが生育しています。 森林上部や開放地ではオオサクラソウ・サンカヨウ・キヌガサソウ・ゴゼンタチバナ・ミツバオウレン・ベニバナイチゴ等の花が見られます。
西穂山荘前
山荘前のテント場上部斜面の植物群落は、「高茎草原」に該当します。 ハクサンフウロ・クルマユリ・シナノキンバイ・ミヤマキンポウゲ・コバイケイソウ・カイタカラコウ・マルバダケブキ等が見事に咲き乱れます。
山荘~丸山周辺
山荘から上部はハイマツ林となり、登山道の脇にはコイワカガミ・イワツメクサ・ハクサンシャクナゲ・コケモモ・リンネソウ等が可憐な姿を見せてくれます。
独標周辺~西穂山頂
ミヤマキンバイ・キバナシャクナゲ・イワベンケイ・ハクサンイチゲ・ミヤマクロユリ・キバナノコマノツメ・ウサギギク・チシマギキョウ・イワギキョウ・トウヤクリンドウ等が見られます。 穂高の厳しい環境の中でけなげに生き抜く花々は登山者の心を和ませてくれます。
令和6年8月20日現在
通年営業の西穂山荘はからは、季節ごとのこよみの推移をご覧いただくことが出来ます。
八ヶ岳より登る朝日
秋から春先にかけては、山荘前から朝日を見られます。元旦の初日の出もここから拝むことができます。
雲海に沈む夕日
夕日は西穂山荘から一年中ご覧になれます。真っ赤な夕焼けは目を見張るものがあります。
日の出・日の入り一覧表
下記の表に掲載した時間は、あくまでも目安として参考にしてください。春から夏にかけては、明神岳の後ろから日が昇るため、山荘前からご来光は見えません。下記の時間より数分~数十分が経過してから太陽が顔を出します。
日の出 | 日の入 | ||
1月 | 1日 | 07:01 | 16:46 |
11日 | 07:01 | 16:55 | |
21日 | 06:58 | 17:05 | |
2月 | 1日 | 06:51 | 17:16 |
11日 | 06:43 | 17:26 | |
21日 | 06:32 | 17:36 | |
3月 | 1日 | 06:21 | 17:45 |
11日 | 06:07 | 17:54 | |
21日 | 05:53 | 18:02 | |
4月 | 1日 | 05:37 | 18:11 |
11日 | 05:23 | 18:20 | |
21日 | 05:09 | 18:29 | |
5月 | 1日 | 04:58 | 18:37 |
11日 | 04:48 | 18:45 | |
21日 | 04:40 | 18:53 | |
6月 | 1日 | 04:34 | 19:02 |
11日 | 04:32 | 19:08 | |
21日 | 04:32 | 19:12 | |
7月 | 1日 | 04:35 | 19:12 |
11日 | 04:42 | 19:09 | |
21日 | 04:48 | 19:04 | |
8月 | 1日 | 04:56 | 18:56 |
11日 | 05:04 | 18:46 | |
21日 | 05:12 | 18:34 | |
9月 | 1日 | 05:20 | 18:19 |
11日 | 05:29 | 18:04 | |
21日 | 05:37 | 17:49 | |
10月 | 1日 | 05:44 | 17:35 |
11日 | 05:53 | 17:21 | |
21日 | 06:02 | 17:07 | |
11月 | 1日 | 06:12 | 16:55 |
11日 | 06:22 | 16:46 | |
21日 | 06:32 | 16:39 | |
12月 | 1日 | 06:41 | 16:36 |
11日 | 06:50 | 16:36 | |
21日 | 06:57 | 16:38 |